2012年3月31日土曜日

【短歌小考】短歌多極主義・コミュニケーション文芸

2012年3月29日のツイートより。


@某女性 ある程度歌詠みとして量を作っていくなら技術や学びが必要だと思う…。でも感情の文学というのは同意で、どんな人にだって生涯で一つはすごい歌を作れるんじゃないかなって。
posted at 01:51:52

私にとって写真や短歌の技術を上げる、というのは「歩留まりを上げる」「失敗率を下げる」ということで、それで決して成功率が上がるわけじゃない。傑作を詠む・撮るためのことはまだ私には言語化できない。したくないのかもしれない。
posted at 01:59:20

でも、楽しめなくなったらお仕舞いですから。あまり考え込まないほうがいいですよ。
posted at 02:01:15

別に各句の間全部にスペース入れてても、「それは短歌じゃない」と私の評価基準がそう評価しても、かんたん短歌でも口語でも文語でも、ただそれを作ることがあなたの(潜在的でも、顕在的でも)目的にかなっていればいいと思う。 #深夜短歌部
posted at 02:11:58

評価されるかどうかなんて関係ない。評価されたいならそれなりの戦略をたてることだし、友達に読んでいいなって思ってもらいたいならかれらに寄り添う言葉で書けばいい。つまらないのは消えてゆくだろうけど、それでいいじゃないですか。その時のあなたには確かに詠むことに意味があった #深夜短歌部
posted at 02:14:18

短歌史を意識し、歌壇を意識するそれ。コミュニケーション文芸の在り方としてのそれ…在り方はいろいろあるし、一人の人間のなかにも複数の在り方がふくまれていると思う。どの在り方も否定したくないし、することは間違っている…と今のところ思う。 #深夜短歌部
posted at 02:19:02

短歌は安いことばで腐る程度のものではないし、お高くまとまった壇に閉じこもってほしいとも思わない。みんな勝手にすればいい、と言ってるように聞こえるかもしれないけどそうじゃなくて、それぞれの場は尊重すべきだし、それぞれの場・その間の交流が閉じるべきではとも思うのです。 #深夜短歌部
posted at 02:21:17

何にもいってないみたい。くそだね。具体的なことも全然いえてないし、机上の空論だ。
posted at 02:22:15

短歌と、コミュニケーションとしての短歌は確実に別のものだよね…と感じていて、その二つはまったく背景が違うから批判してもまったく意味がないんじゃないかとも思える。批評者ある場と批評者なき場の違いなのかな。 #深夜短歌部
posted at 02:25:30

語りお仕舞い。相対主義じゃなく多極主義です。よろしく。「作りたいものつくれよばーか。」なんだけど、作りたいもの作るって評価されたいから評価者を意識して作るとかも含まれてるから、よろしく。
posted at 02:29:01

@とある女性 この語り自体もぐるぐるしてるんだけど、たぶん答えなんてないし答えなんて決めちゃいけないからそうなるんだと思う。初心者の言うことだからあまり真に受けないでねっ!←
posted at 02:32:00

(いままでの主張を総合すると、うたつかいはひとつの理想形だよねってことかもしれません。うたらばについては選がきびしいけど、短歌を知らない人に高クオリティで、写真とともに見やすい形で示せるからすてき)(ほかは、よく知らないのでホーコメントで)
posted at 02:53:07

多極主義だ、と言っておきながら結局そのどれかの極に属してるので、理想主義的現実主義といえるかもしれない。
posted at 04:58:52

いや、分析者と実作者としてのわたしが分離してるだけか。
posted at 05:01:17

ツイート以上。


以下補足。

企画をすることの意義について。
Twitter上での短歌というのは質を高め合ったり切磋琢磨し合うというよりコミュニケーションとしての一面が強いと思っています。悪く言えば批評なき馴れ合いの場ですが、楽しんで交流する手段がたまたま短歌なだけ、彼らが楽しめているならいい、と私は多極主義の立場から思うのです。(私の価値判断基準に照らして)上手い人も参加し、下手な人も参加して、なにかゆるやかな一体感のようなものを生めるというのはすばらしいことだと思うのです。だから、企画には絶対に価値があると言いたい。 ※もちろん、切磋琢磨するための歌会等の企画もあります。

短歌の世界を俯瞰する私と実際に短歌を作り評価する私はまったく別のものです。
私にとっていいと思える短歌、悪いと思える短歌は確実にあって、前者は上手く規定できないのだけど後者は、たとえば短詩として洗練されてなかったり、各句ごとにスペースが空けられるといった基本的な知識の欠如にいらいらしたり、ただ自分の言いたいことばかりが前面にでて短歌にしようという姿勢が感じられない…といったことです。

2012年3月28日水曜日


夕方になって雨が降るだなんて思いもしないような、そんなお天気だった今日の昼。梅が咲いている公園があって、紅と白がとってもきれいでした。桜はにじむような美しさで、梅は匂いたつような美しさだと思う。

私の故郷には臥龍梅という、龍が横たわる姿にたとえられる奇妙にねじれた格好の梅があり梅園になっていて、春になると梅まつりなるものが開かれていた。

小学校のとき…秋の終わりか冬だか忘れてしまったけど、図工で版画を作る授業があって私は臥龍梅を描こうとしていた。
花も葉もない季節に見たままを描いたから当然枯れ木としての姿で、でもそれは我ながら上手く描けていたように思う。
でも、先生は私に花を描くように勧めた。先生がなぜそう言ったのか覚えてないし、何も理由なんてなかったのかもしれない。でも私は先生に対してはあまりに素直な子だったから、先生に従って花を描き足した。でも、それは幹枝―私は横に寝た木の全景を描いていた―と全く大きさの合わなかった。花びらひとつひとつまで大きくなりすぎて、数はあまりに少な過ぎた。
そのとき、私は一抹の悲しみを覚えていたのかもしれない。なんだかどうしようもないまま彫って、刷って、でもやはりだめだったんだと思う。枯れ木は枯れ木のままであるべきだったんだと。見たものそのままを捉えるべきだったんだと。白と黒の世界で、少なくともそのときは花を表すことなんてできなかったんだと。

今日の梅を見ながらそんなことを思い出していた。

そして、ふとこの前撮った写真を思い出して。全く違う木であってもその臥龍梅の冬枯れに、そしてかつて私が表したかった絵に似ている気がして、ああ、もういいんだと思った。何がもういいのかもわからないまま。

そんな梅のはなし。


2012年3月13日火曜日

#7days100tanka 3/6,12:00-3/13,12:00

3/6,12:00-3/13,12:00の#7days100tanka、作った歌のまとめ。
全部読むのめんどくさいでしょうからふぁぼ、RTしていただけたのを他選とみなして最初に並べてみます。大体自選と一致するような気もします。
以下のように何となく凡例分けもしてみましたが票数少ないのであまり参考にはならないかも。

*…歌詠みじゃない男性
*…歌詠みじゃない女性
*…歌詠みの男性
*…歌詠みの女性


性別や歌詠む方かどうかわからない場合は推定ですので間違ってたらごめんなさい。
一人が一首にふぁぼ、RTともにしてくださった場合は二票でなく一票とみなします。「義理ふぁぼ」らしきものは無効とします。


【86】先輩の唇を強く噛むならば血の味がして深くつながる
*
【81】玉砂利は一トン七千円らしくアマゾンからあいつに送ったよ
*
【79】窓をあけ風を入れれば心地よし(社会の窓の開いている君)
**
【73】終わる朝と昼のはしっこのあたりならあなたはまだ生きていましたか
*
【71】鯖持ちてきさまの顔を叩きたしびちんびちんびちんびちんびちん
*
【70】服のはし握ったままの君がいて寝息を聞いてるような幸せ
***
【69】秘めごとは秘めてこそあつきものにて夜の浜辺で探すヤシガニ
*
【68'】電車に乗り西に行きたいと思う日の教室の窓の透きとおりかた
*
【66】目隠しをしたまま指切りしたならば誰のものでもよかった小指
*
【54】脳味噌が漏れだしている交差点熟し過ぎてたみたいね、トマト
* 
【51】忘れ香を思いだしたら春の日のあなたにあいにそっと歩こう
***
【48】水底よ穏やかであれ私のかすかな弔いなども沈めて
*
【45】観覧車は夜まで乗ってはいけません(横浜デートの約束として)
*
【26】大陸の夢をみました今日もまだ海にたゆたう海月のままで
****
※26、海の重複が気になりますね。海にたゆたう⇒たゆたっている、青にたゆたう、とか?クラゲ、くらげ、水母…どれも違う気がします。
【24】悲しみのひとつの表現形として大切なまま泣かないでおけ
*
【23】ネコ2匹ネコ4匹ネコネコ8匹ネコネココネコたくさんのネコ 
**
【22】瑠璃瓶の光溢した明後日の空の色まで生きて待ちます
*
【20】地震かと思えばわたしの揺れでしたノイズとか心臓の音とか
**
※20は地震直後のツイートなので文脈依存RTだと思われます。
【5】人間になれないでいるわたくしを連れ去るような花瓶のミモザ
*
【4】詠みて投げまた詠みて投ぐ吾の前に三度妻子を捨つ岡井あり
*


以下全100首乗っけます。番号間違い等も原文ママ、といういらない臨場感。
TwilogよりHTMLソース取得して直貼りとハッシュタグ除去。少し状況説明なども加えつつ。歌だけのせいやっ、と言う方もおられるでしょうが…わたしにとってはこの形のほうが面白いのです。

2012年03月06日(火)
*始まりは、私の尊敬する歌詠みさまのこんなゆるっとした募集でした。
RT @LAB1027: #7days100tanka 1週間で100首。本日3月6日正午~3月13日正午まで。達成しなくてもかまわない。軽く詠んでみませんか?
posted at 10:46:18
RT @Ikuhauta: 【改めて緩募】歌詠みさん三名とTwitterにて一週間百首を各々目標に詠みます。参加したい方は是非。一日約十五首くらいで大丈夫。達成出来なくても言葉遊びくらいの軽い気持ちで(逃げ道w)今日の正午開始で、歌に数字振ってTwitterにアップ。 タグは #7days100tanka
posted at 10:48:09
*のるかそるか。しばらく考えて乗ってみることに。どんどん参加者は増えていきました。
【1】言の葉の未だなきモノクロムの日言の葉のなきままに意味問へ
posted at 12:36:41
【2】一人きりだから名前は失くしてて彼を探した新宿の夜
posted at 12:54:00
【3】あんなにも愛した日々だこんなにも晴れた空に新宿の豪雨だ
posted at 12:58:58
*東京事変を聴きながら、と言わないとわからないですね。失敗。3/4の六大学写真展打ち上げ、二次会オール明けの新宿の雨は冷たかった。
【4】詠みて投げまた詠みて投ぐ吾の前に三度妻子を捨つ岡井あり
posted at 13:23:00
*別に岡井隆にはなんの恨みもないですし彼の歌もそんなに詠んでないです。本郷短歌会歌会に詠草として出したのですが歌会自体には参加できなかったのでどういう評がついたかは知れず。
【5】人間になれないでいるわたくしを連れ去るような花瓶のミモザ
posted at 14:03:33
*一日目はこれにて了。24時間で15首ほど詠まねばいけないのでスタートダッシュはできてない、ということになります。
2012年03月07日(水)

【6】スクランブルエッグのふわふわありましてビタミン剤のきいろも飲んだ
posted at 03:20:18
【7】ブラジャーの外し方を学ばぬまま水素結合の切断を知る
posted at 03:32:14
【8】ブラジャーのつけ方彼が知るときに外しかたを教わっているぼく
posted at 03:46:37
【9】作者死んだバルトも死んだ私死んだ言葉も死んだあなたも死んで
posted at 03:51:13
【10】氷枕取りかえているぼくはもうあなたの涙に溶けてゆきたい
posted at 16:04:21
【11】虫にとって大気が粘っこいように餅から見ればくらやみの口
posted at 16:46:53
【12】赤い青い黄色い星座の雨である今すぐ死ぬか生きるかしたい
posted at 16:50:54
*投稿時間から昼夜逆転っぷりが読み取れてアレですね、アレ。19:00から駒場で劇工舎プリズムの新人公演『ユニコーン恋愛方法論』を観て芸ゼミメンバーの感想を駒下のカレー店で聞いてました。そのため夜の投稿はなし。いい劇でした。また感想まとめて書くことになるとおもいます。
2012年03月08日(木)
*この日からクラスの合宿下見へ。夜更かししたけどちゃんと起きました。
【13】前姿ならつくろえはするけれど後ろ姿のだらしない人
posted at 03:15:39
【14】世界の終わりを刻んでくようにして生肉を食べやすく切ります
posted at 03:17:59
【15】わたくしと世界がひとつだったとき太陽の色と夜の温度と
posted at 03:20:51
【16】人生の前置きのままでいるような君の目の透明さをはかる
posted at 03:24:20
【17】甘栗をむいてしまった甘栗をむいちゃいましたどうすればいい?
posted at 03:25:48
【18】わたくしがむかし歌った喜びの今日も大気に残る痕跡
posted at 03:28:00
【19】その髪は金色になる秋があり憧ればかりつのらせている
posted at 03:53:34
【20】地震かと思えばわたしの揺れでしたノイズとか心臓の音とか
posted at 03:57:27

2012年03月09日(金)
*山梨の合宿所の布団の中で詠みました。
【21】ならばもう落ちてしまって構わない葉脈に光集まれば、秋
posted at 06:30:00
【22】瑠璃瓶の光溢した明後日の空の色まで生きて待ちます
posted at 06:34:05
【23】ネコ2匹ネコ4匹ネコネコ8匹ネコネココネコたくさんのネコ
http://twitpic.com/8tprei
posted at 06:37:03

*合宿所に大量にねこがいてネコ団子になってました。
【24】悲しみのひとつの表現形として大切なまま泣かないでおけ
posted at 06:40:14
【25】煮物色染み出している弁当の遣る瀬なさとか、遣る瀬なさとか。
posted at 06:46:54
【26】大陸の夢をみました今日もまだ海にたゆたう海月のままで
posted at 06:59:33
【27】にじんでく水彩の描く足跡であなたの記憶 花の雨降れ
posted at 07:04:44
【28】天井の模様数えた記憶とか宇宙に溶けてしまうよな空の
posted at 07:07:40
【29】魚棲まず蒸留水の澄み色の屈折はなし独りあるべし
posted at 07:13:25
*山梨⇒東京。帰りのバスの中。
【30】香りだけ僅か残して身を投げた河に永久へと生きゆく娘
posted at 14:14:45

2012年03月10日(土)
*雨音をhttp://www.rainymood.com/でずっと流しながら過ごした日。
【31】雨音に溶けゆく少女の指先のピアノの黒鍵触れないでいる
posted at 09:27:30
【32】雨音に抱かれている寂しさの色に任せて微睡めば夜
posted at 19:01:37
【33】泣き疲れ眠れるための涙腺が空っぽだから雨が降るのね
posted at 19:10:05
【34】照らしつく円月ありてつま先に光宿ればわたくしの夜
posted at 19:16:45
【35】指先をつつむがさつな愛として軍手忘れたあなたに貸した
posted at 19:19:44
【36】誰かの悪意かもしれない世界として立ち現れる勿れ夕闇
posted at 19:22:31
【37】関わらぬことが私のためらしく花の夢にて手折ったのです
posted at 19:25:47
【38】もうひとつ踏み出せば恋になるらしく君からもれる空気を吸って
posted at 19:29:09
【39】デイドリームビリーバー、ねえ君はいつも一人っきりで歌っているの
posted at 19:34:03
【41】あさぼらけさげぽよJKリストカットスーサイドさもなくばオナニー
posted at 19:37:41
【40】JDのmixi離れが進んでもJKがいて回ってくとか
posted at 19:41:37
【42】空気認識には対応してませんアップデートされないままの恋
posted at 19:43:49
【42】見栄はって生きてるような私のとなりで等身大の1日
posted at 19:53:03
【44】甘噛みをしよう指とか耳だとか首筋だとかはむはむしよう
posted at 19:57:32
【45】観覧車は夜まで乗ってはいけません(横浜デートの約束として)
posted at 20:16:22
【46】気配すら消去されえぬものとして風にどれだけ声を聴けるか
posted at 22:58:33
【47】生まれ変わりたかったみんなのために私は死のう 母たれよ海
posted at 23:01:40
【48】水底よ穏やかであれ私のかすかな弔いなども沈めて
posted at 23:06:00
【49】醒めてゆく夢の縁へと手をかけて口づけの温度確かめたなら
posted at 23:07:59
【50】牡蠣スモーク1タイカレー3お芝居のあとの駒下の危機
posted at 23:09:29
【52】後ろ姿にぶら下がった悲しみを引き剥がすものとしての君
posted at 23:21:06
【51】忘れ香を思いだしたら春の日のあなたにあいにそっと歩こう
posted at 23:23:37
【53】ゆえにもはや意味を為す必要はなく、目を閉じて口づけを数分。
posted at 23:27:28
【54】脳味噌が漏れだしている交差点熟し過ぎてたみたいね、トマト
posted at 23:46:32

2012年03月11日(日) 
*この日は低調。とある女性が酒とともに醜く夜を明かすと言ってたのでそれにならって夜明け前にお酒飲んでた。
【55】もう二度と歌うことなき竪琴のオルフェウス流れゆく海まで
posted at 03:24:18
【56】いつの日か同じ夕陽を君のとなりで違うように見たいと思ってる
posted at 03:46:54

2012年03月12日(月)

【57】菜の花は想定外の春としてすました色の季節を穿つ
http://twitpic.com/8v7de8
posted at 11:58:50

*三鷹には春のにおいがありました。
【58】ひとりぼっちの星空わたしと蛇はよりそうんだよ輪廻のわっか
posted at 12:56:47
【59】もう帰ることない川のほとりまで歩んでく筋肉の連関
posted at 13:01:01
【60】追い付いちゃいけない赤を抱えてる空を走った満月の夜に
posted at 13:07:21
【61】「今、うんこしよん」といったメールでも何もないよりましなんじゃない?
posted at 13:12:29
【62】那覇になく東京になく北京にもニューデリーにもないというそれ
posted at 21:13:43
【63】ソクラテス殺された日のプラトンの気持ちだとかをあなたに向ける
posted at 21:15:49
【64】無痛なる手術を終えるお医者さまの服は真っ赤に染まってました
posted at 21:19:21
【65】着陸の上手い下手などおいといてどうにか生きているのならいい
posted at 21:22:43
【66】目隠しをしたまま指切りしたならば誰のものでもよかった小指
posted at 21:29:25
【67】観測をす迄判らぬものならばプリンの味よりパンツをば見む
posted at 21:32:42
【68】電車乗り西に生きたいと思う日の教室の窓の透明なこと
posted at 21:43:45
【68'】電車に乗り西に行きたいと思う日の教室の窓の透きとおりかた
posted at 21:50:27
【69】秘めごとは秘めてこそあつきものにて夜の浜辺で探すヤシガニ
posted at 23:23:09
【70】服のはし握ったままの君がいて寝息を聞いてるような幸せ
posted at 23:38:41

2012年03月13日(火) 
*71はびちんびちんしたかったんだと思う。京短らへんのやぶうちさんにふぁぼられてたからやぶうちさんもびちんびちんしたかったんだと思う。
【71】鯖持ちてきさまの顔を叩きたしびちんびちんびちんびちんびちん
*似た歌を見かけたことある気もする。
posted at 00:21:18
【72】谷にありてメトロはビルの三階でうごめきは人と云うものらしい
posted at 00:44:50
*起きたら9:00過ぎでもうだめぽ、と思ったら案外間に合ってしまったという展開でした。クオリティは微妙かもですが。
【73】終わる朝と昼のはしっこのあたりならあなたはまだ生きていましたか
posted at 09:15:23
【74】空までもかがやく日なのだかたつむり干からびたあとの軌跡であれよ
posted at 09:18:58
【75】咲かなかった花を確かに愛すため雨よさんさんと降り続くのだ
posted at 09:22:34
【76】私の性を呪うがごとくあり母のようにはなりたくなかった
posted at 09:25:21
【77】眉の間のうぶ毛引き抜いてやりたいとわたしに顔を近づける君
posted at 09:27:43
【78】肉よりも魚が好きだった少年はいつの間にか肉好きになってた
posted at 09:30:41
【79】窓をあけ風を入れれば心地よし(社会の窓の開いている君)
posted at 09:33:39
【80】(開いてるね)おはよ、坂本。(言うべきか?)宿題やった?(社会の窓が)
posted at 09:36:16
【81】玉砂利は一トン七千円らしくアマゾンからあいつに送ったよ
posted at 09:40:21
【82】砂漠行く人の影をば見し夏の輝くようにポカリスエット
posted at 09:43:39
【83】僕ら空に浮かんでいたね僕らもう海の色思い出せないんだね
posted at 09:46:40
【84】ただ広い枯れ野原があるとするならばわたしは台場がそれにみえます
posted at 10:23:00
【84'】ただ広い枯野のひとつのありかたにお台場などを数えてみたり
posted at 10:24:52
【85】秘めたるは美しきこと 妬みなどあなたは見なくたっていいんだよ
posted at 10:34:13
【86】中綴じは四の倍数つなぐなら5+5の指足せば1でいい
posted at 10:47:52
【86】先輩の唇を強く噛むならば血の味がして深くつながる
posted at 10:51:01
【88】生きるって泡みたいだって洗剤も海も宇宙も泡みたいだよ
posted at 10:53:33
【89】洗剤と存在の類似性だとか原罪と存在のありかた
posted at 10:56:20
【90】キスマークが傷害罪になるなんて知らないまま互いに刻みゆく
posted at 10:59:57
【91】火葬場の煙はきっと儚くて白い君の手握った弱さ
posted at 11:02:42
【92】五百羅漢ドーハにありて八百万(やおろず)の国は手綱の見えぬままたり
posted at 11:04:52
【93】君が辞書になったのならばその夜に「あ」から丁寧に書き写すのに
QT @mmmmao88: 【94】言語化の難しいことああいっそ辞書になりたいと思わされる
posted at 11:08:02
*93は返歌してみたわけです。
【94】ご覧のスポンサーでお送りしました終幕の日の白と黒色
posted at 11:17:19
【95】白黒の幕は似合わぬひとだから海に溶かして穏やかな春
posted at 11:23:37
*91,94,95がお葬式系なのは昨日見た劇団ふつつかもの第二回公演『死してなお』のせいだと思う。これも感想まとめなきゃ。
【96】放送は死してびっしりカラーバー宇宙の果てへさ迷ったまま
*しゅーじりすぺくと
*寺山修司の 肉体は死してびっしり書庫に夏 をふと思い出して詠みました。出来はよろしくないかもしれない。
posted at 11:26:09
【97】ユニコーンに触れる勿れの言い伝え触れてしまつた触れてしまつた
posted at 11:29:01
【98】こいしてるアイラブユー好きあいしてる<記号溢れる街の断章>
posted at 11:38:05
【99】時たまにおねーちゃんと呼びたいような先輩の横顔に夕陽を
posted at 11:45:02
【100】駆け出すのなら今がいいこの国のトラックはみーんな左曲がり
posted at 11:59:05
【100'】駆け出すのなら今がいいこの国のトラックはみな左に回わる!
posted at 12:00:36
*100はもう少しいい歌出したかったね。
100で滑り気味だけど、まあいいさ。ゴールしましたよ。みなさまお疲れ様でした。 #7days100tanka
posted at 12:02:22
【101】もし君がいいというならふぁぼ魔にもとぅぎゃ魔にだってなってみせるよ #7days100tanka というわけで、みなさまのふぁぼったりわたしのとぅぎゃったりします。
posted at 12:08:48
*と、いうわけでみなさまお疲れ様でした。わたしもお疲れ様でした。

2012年3月4日日曜日

記憶

実りの季節がくればその髪は陽の光になる。
乾いた草のにおいが鼻孔をくすぐる。
風は強く、踏みしめる土はほんのり熱をもっている。

私はその熱を追いかけている。
陸のただなかで潮騒を聞く。
身体はゆっくり冷めてゆき、夜がくる。
町の灯りは遠く、星の灯りは近く。
宇宙の寒々としたなかで、身体はどこか軽やか。
声はもう聞こえない。
でも、幼いころ聞いた歌は微かに大気を揺らして。

目を閉じれば曖昧な白。
たゆたううちに溶けてしまって輪郭も思い出さずにいる。
土星のわっかとか木星の雲を掬いとって、混じりあってゆく。
戻れないことは知ってるから星は死んでくだけだった。

双子葉ほどうまく呼吸できないからえらを探している。
言葉はまだできてないらしくただ、彼と手を繋いでる。
できそこないな宇宙に閉じこもってリンゴが降ってくるのを待つ。
空は揺れていて、古い歌を運んでる。

気づけば教室の窓は開いてて、カーテンがささやかに膨らんでいる。
窓辺に見ていた子の名前はしらないまま。
幅跳びのマットは夕陽のなかにあって、風を撃つように跳ぶ。
羽持つ動物たちはどこに行くのかな。

スカートの端には昨日がくっついてる。
最後にしゃべった声の高さ。
大気のなかの、歌の痕跡。


tweeted 3/4 1:42-2:36